Kilim Exhibition in Topkapi(2)
今回のキリムの展示の中で、キリムもさることながら、3つのテントはアナトリア民族学の貴重な資料として評価されていました。
現在はトルコでもほとんど遊牧生活を続ける人はいなくなったと言われていますので、実際にキリムが織られ、使われていた生活の様子はもうこのような展示でしか実際に見ることはできないといえるでしょう。
目次
黒いヤギの毛のテント
ざっくりとヤギの毛で織られた黒いテントは、数千年の昔から使われてきたもので、アナトリアで放牧生活をするトルコ民族の家であった。
彼らの生活は、夏は涼しい高原で、冬は温暖な平野へ移るもので、そのために簡単に折りたたんで持ち運びができるテントが広く使われていたのです。
展示されているテントは、サルケチリ(Salikecli)と呼ばれる部族グループのもので、コンヤ・アクサライニーデ地方のもの。
ユルト(ドーム型のテント)
ユルト(Yurt)、タパックエブ(Tapak Ev)と呼ばれるドーム型のテント。
展示されているテントは、実際に1998年ごろまで使われていたもの。
外側と地面は、フェルトで覆われ、複雑な織りのテントベルトで縛ってあります。
組紐のように織るテントベルト
テントの中には、きれいに並べられた収納袋(Cuval)。
移動の際、ラクダの背に右左ふたつ乗せるために、それぞれのデザインは2つずつペアで作られるのだそうです。
大きなヤギの黒いテント
この大きなテントは、マラテヤ・ピョトルゲにあるDeliyan族のもので、1980年代まで夏のサマーキャンプで使われていたもの。
11本の紐で引っ張られ、木のペグで支えられ、およそ10メートルの長さのある大きなテントです。
テントのそばには、家財道具や衣装を入れるための袋が飾られていました。
そのほか、キリムの織り機も三台ありました!
織りかけのアイドゥンデザインのキリム。(キリムは新しいものです)
トルコには珍しい、水平スタイルの織り機も展示。
追)2003年夏のこのキリム展は、その後たくさんの雑誌などで紹介されており、展示の詳細などについては、あとから記事を読んで知ったものもあります。
そのほか、ジョゼフィン・パウエルについての記載も少しずつ拾っていますので、のちほどまたご紹介いたします。
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