キリムのバッグ制作工程 …アトリエを訪ねて
キリムとジジムのバッグができるまでのレポートです!(2002.6 たくさがわ)
うーんすばらしい!とうなってしまうキリムを一枚選ぶのもたいへんなのですが、
キリムのバッグを選ぶのもも同じです。
選ぶのにホントに苦労するんですねー。見れば見るほど目移りしちゃいます。
まずはヨーロッパへ輸出されるのをまっている箱を全部ひっくりかえしてチェック!
これはと気に入ったバッグを選ぶと、結局同じキリムからのカットで、みんな同じデザインだったり・・・。
「使ってあるキリムじゃなくてバッグを見てよぉ!」とお店の方にも言われてしまいました(^^ゞ
そうですよねー。確かに、キリムとしてすばらしいものと、バッグに仕立てたときは
ちょっと違うかもしれません。バッグ全体として完成度の高いものをセレクトせねば!
気に入ったデザインで、しかもバラエティに富んでいろいろな色や柄をそろえるというところが難しい。
こんなにたくさん見てしまうと、自分が欲しい一個を見つけるのだって
もうわけがわからなくなってしまいます。
そして、今回はわがままいい放題で、まだカットする前のキリムからも選ばせていただきました。
感謝感謝(^o^)丿
キリムのストックは、ためいきモノの見事なオールドばかり!
よくこれだけ集めたものです。このお店のこだわりというか、プライドを感じます。すごい。
一枚一枚開いてもらうたびに「あ”ーっ」と叫んでしまう私。
やはりどのキリムも修復するには難しいほどの穴が開いていたりするんですね。
お願いして探してもらっていたジジムも揃いました。意外と面積が広いから、
たくさんバッグができるかなと想像するのですが、擦り切れているところなどを除いて、
パーツを取っていくと案外取れないものです。バッグのパーツの隙間から、
上手にサンダルのパーツをカットしたり。もとのキリムもジジムも高価なものですから、
無駄がでないようにパズルのように型紙をおいていきます。
裏表・左右がチグハグにならないように。
ここからは製作工程。
最初にキリムの裏側にしっかりしたナイロン状のシートを貼ります。
「キリムが縦や横に使われているものがあるけど、のびたりしませんか?」
とお問い合わせをいただくことがありますが、このウラのシートがあるから大丈夫です。
中まで水が入らないように防水の役目も果たしてくれます。
そうそう、バッグになるためには、あんまり厚手のキリムは使えません。
重たくなるし、ミシンも通らないからです。ジジムがあまりバッグに使われないのは、
薄手でよいものが少ないという理由もあるんですね。
もちろん、バッグとしてお値段の許す範囲で…です。
型紙を写したら、電動式のカッターで丁寧に裁断。
もうキリムじゃなくて、ただの布状態(^_^.)
カットされたパーツ。サンダルは左右の柄がセットになっているので、
はぐれないように全部番号がついています。この段階で選んで、
日本人サイズに作ってもらいました。
約1.5ミリ厚の牛革を一緒に縫いこんで、しっかりと縫製。
厚みのあるゴワゴワした生地を立体的に縫い合わせるのって、すごい職人技!
最後に内側の布とファスナーを取り付けて完成。
見ていると、手際はいいけど、一日にそんなにいくつもできるものではないみたいです。
久しぶりに「ものづくりの現場」を見て、たくさんの人の手を経て生まれてくる商品に
とても愛情を感じてしまいました。
最初に「ファクトリーを見せて」とお願いしたら、
「ファクトリーじゃなくて、アトリエだよ」と訂正され・・・ ああ、でも来て見て納得♪
もち手を短くしてほしいとか、ファスナーを広げてほしいとか、
希望を伝えるとその担当の職人さんが手帳にメモしてくれて、
細かな仕様変更も快く受けてくれました。ありがとうございますっ!
「次は、日本で流行ってるバッグの形を持ってきてねー」と何気なくにこやかに、
私にプレッシャーをかけるアトリエのみなさんなのでした。
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