ギャッベ

イラン南部の遊牧民が織る長い毛足のラグ・ギャッベ。素朴でふかふかな織りから、緻密に織られたハイエンドクラスまでそろえています。

カシュカイの村でオールドギャベを探す

イラン南西部には、テントで暮らしながら、夏冬の移動を繰り返す遊牧民が
まだまだ多く残っています。
でも、その一方で、古くからの遊牧生活を捨てての定住化が進んでいるの事実で、
その傾向は、テヘランに近い北のほうから順に、南下しているようです。
2009年11月、テヘランの仕入先に “デザインの面白いオールドギャベがほしい!”と
リクエストしたところ、シラーズの北部へおよそ200Kmほど行ったところの
小さな村(というか集落)に連れて行ってくれました。
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村といっても、日用品雑貨を売る小さな店がひとつあるだけで、
あとは平屋でレンガ造りの家が並んでいるだけ。
まだ、ここに移り住んで間もないといった感じで、モスクの尖塔も見当たりません。
こんなところで、誰かギャッベを売っている人がいるのか???
と思ったら、売っているわけではないらしい。
案内されたのはなんと、フツーの家 !!!
「ここに敷いてある中から、気に入ったのがあったら選んでね♪」
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でも、これって今、使ってるんじゃないの?
イヤイヤ、そんなことはノープロブレムみたいです!
何点か選んで、値段を聞いてもらいましたが、これが想像よりもかなり高め。
私たちの案内人も、ガンバッて値切ってくれましたが、なかなか手ごわい!!
すでに、欧米のバイヤーが来て、いい価格で買ってくれるのかも。
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カシュカイの人々の暮らしぶりは、定住した今でもさほど変った様子はなく、
部屋の中には、色とりどりのギャッベが敷かれ、
家財道具はキリムの袋に入れて、丁寧に壁際に並べてありました。
サイズも色も違うじゅうたんを、びっちり敷き詰めるのがカシュカイ風。
自由な感じがいいなぁ。
彼らは、放牧や果物の栽培などで、生計を立てているらしい。
そして女性たちは、テントの前から納屋に場所を移して、
今もじゅうたんを織り続けているのです。
売るために織っているのか、自分たちで使うために織っているのか…
いずれにしても、莫大な手間と時間がかかる絨毯を織る仕事が
今も変わらず続いているのを見て、ちょっと安心しました。
コンクリートの家に移り住んでも、遊牧民の気持ちはそのまま、というところでしょうか。
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キッチンカウンターの上に、テント生活を偲ぶように、
ミニチュアが飾られていました。ちょっぴり哀愁。
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外へ出ると、道路端でおばちゃんが毛糸をつむいでいました。
“ウチにも買いに来てちょうだい” というデモンストレーション なのかな?
やっぱり、けっこう慣れてるみたい(~_~).
選んだギャッベは、トラックに乗せてシラーズへ。ここから首都テヘランに送って、
クリーニング&修理です。
ここからは、絨毯メンテナンスのプロの仕事。
みなさまのお手元に届く前に、気持ちよくお使いいただけるよう
細かくチェックして品質調整するのです。
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オールドギャベはこちらに掲載しました
*写真に写っているギャベは、すべて買い付けたということではないので、
ご了承願います。
2010.1 たくさがわ

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