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おすすめ商品をピックアップしてご紹介します。

スザンニを追いかけて

これまでにたくさんのスザンニをご紹介して来ましたが、実はスザンニについてはキリムやほかの商品に比べるとお伝えできる情報がとても少なかったのです。


当店が主にスザンニを仕入れるのがウズベキスタンの現地ではなく、イスタンブール@トルコへ商品を持ってきているトルクメン人からであるということが理由のひとつです。実際に、商品を売っている彼らも「スザンニ(Suzani)」という魅力的な刺繍布が何者であるのか、詳しく知らない…
たとえば「このデザインはたくさん似ているタイプがあるけど、どの町のデザインなの?」と聞いても、答えは「ウズベク」の一言だけ。本当ならば、ブハラ、タシケント、サマルカンド、シャフリサーブスといった地域の名前か、テッケ族、ラカイ族、テルミネ族など部族グループの名前などで特徴が区分されるのですが、その情報がほとんどないのです。
調べようとしても、文献も本も写真も皆無に近い!

2002年も終わりに近づいた頃、白地に鮮やかな大輪の花を描いたリプロダクションスザンニが市場に現れたのです。アンティークスザンニを追いかけていたのは、バザールの人々も同じだったのでしょう。
その時期を境に、だんだんとスザンニについての情報が増えてきました。

参考になった資料や展示の主なものを出会った順にご紹介しますね。

HALI Magagine

オークションプライスガイドにアンティークスザンニが度々登場してきました。白黒写真しか見られないのですが、デザイン・年代・産地などの解説があっていつかは実物が見たい!と夢が広がります。

Mehmet Cetinkaya Gallery

イスタンブールの当店の倉庫の程近くにあるギャラリー「メフメット・チェティンカヤ」でアンティークスザンニをじっくり見ることができました。中央アジアの布や装飾品の研究家でありコレクターでもある彼の名前は有名です。後になって、リプロダクションスザンニはチェティンカヤやイギリスの研究家たちが現地で指導してスタートしたことを知ったのです。

・KESHTE Central Asian Embroideries

2003年待望のスザンニカタログ本が登場!イギリスのプライベートコレクションを中心に掲載された本で、これまで幻のように言われていたスザンニの写真がついにお披露目されたのです!

庭園美術館 -シルクロードの装い

日本にもついにスザンニの展示がやってきました!

大倉集古館 -シルクロード装いの美

ブハラ刺繍のコレクター「マイケル・フランシス」が所有するラージメダリオンスザンニ9点が東京へ。スザンニの中でも特定の地域だけのものを集めた専門的な展示は小規模ながらも充実していました。

博物館やギャラリーなどの展示、インターネットでの検索でスザンニの情報は苦労せず見つかるようになりました。でも、まだまだ謎が多いのが本当のところです。
謎といっても、中央アジアの広い地域で複数の部族グループが作っていたものですから、これ以上その歴史や背景が解明されるのは難しいのかもしれませんね。
それでもまだまだ、スザンニのことを調べていきたいと思っています。なにしろ、まだウズベキスタンにも行ったことがないですから!

(2005.10 たくさがわ)

ウズベキスタン・スザンニ商品一覧

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